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夏休み、ワーカーホリック page7

last update 최신 업데이트: 2025-03-03 13:04:42
 夏休みが終わったら、秋にいよいよ発売される短編集のゲラのチェックもしないといけないみたいで、わたしは作家としてますます忙しくなりそう。

 ところでおじさま、聞いて下さい。さっき純也さんからメッセージが来てたんだけれど、なんか上から目線で素っ気ない内容でした。彼はまだ、わたしが彼の反対を無視して勝手に家庭教師のバイトを決行したことを怒ってるって。でも、農園で会った時に素直ないい子に戻ってたらまた仲良く遊んであげてもいいよ、それで許してあげる、って。わたしはそう解釈しました。

 ね、上から目線で偉そうでムカつくでしょ? だからわたし、さやかちゃんに電話して、この話を聞いてもらったの。それでのこのこ農園に行くのも、彼の思うツボみたいでシャクだし、って。そしたら、さやかちゃんが「ウチにおいでよ」って言ってくれたんです。つまり、埼玉の彼女の実家に、ってこと。この夏のわたしはハッキリ言ってワーカーホリック、つまり働きすぎだから、ウチで息抜きしなよ、って。

 わたし、行っちゃダメですか? まだ自分の意思で決めちゃダメなの? ううん、そんなことないはず! めいっぱい働いたし、残りの夏休みくらいはさやかちゃんといっぱい遊びたい。で、ぶっちゃけ純也さんとの約束をドタキャンしてやりたいんです。

 わたしはあなたの思い通りになんか動かないんだって、彼に思い知らせてやらないと。おじさまも同じです。

 とにかく、わたしはバイトが終わり次第埼玉へGo!!       かしこ

八月十日       ワーカーホリック愛美』

****

 ――それから十日ほど後。無事に愛美の家庭教師のアルバイトは終了した。

「愛美先生、一ヶ月間お疲れさま。これ、謝礼ね」

「わぁ……、ありがとうございます!」

 秦野夫人からバイト代の封筒を受け取った愛美は、失礼だとは思いつつ中身を確認した。

「……はい、確かに十万円受け取りました。でも、ホントにいいんですか? こんなに頂いちゃって。わたし、この半分でも充分ですけど」

「いいのよ。娘二人を勉強する気にさせてくれたあなたには、本当に感謝してるんだから。大変だったでしょう? だからこちらとしては、もっと増やしてあげたいくらいよ」
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  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page10

     愛美が指摘すると、純也さんは図星を衝かれたらしく赤面してコクンと頷いた。「…………自分でも、ガキみたいでカッコ悪いなと思うよ。三十過ぎたいい大人の男が何やってるんだって。でもやっぱり君と年齢が離れてるせいもあってさ、自分より君と年齢の近い男が君と仲良くしてると……何ていうか。愛美ちゃんには俺なんかより、そっちの方がお似合いなんじゃないかって思えてきて」 よく「男の嫉妬はみっともない」と言われるけれど、彼の嫉妬はまったくそんなふうに感じられないのはなぜだろう? それだけ、彼に愛されているからなんだろうかと愛美は思った。「そんなことないよ、純也さん。たとえ傍(はた)から見ればお似合いに見える相手がいたとしても、わたしが好きになった相手は純也さんだけだから。そもそもわたし、治樹さんのことは恋愛対象として見てないから。親友のお兄さんだし、もう一人の親友の恋人だし。それに治樹さんはわたしから見たらまだまだお子ちゃまだもん」 十九歳の愛美が五歳も年上の治樹さんを「お子ちゃま」呼ばわりするのも何だか変な話だけれど、一回り以上も年の離れた人と付き合っている愛美からすれば立派な〝お子ちゃま〟なのだから仕方がない。(多分、わたしが施設出身だからちょっと精神年齢高めなのかも)「……ホントに?」「うん、ホントだよ。だから嫉妬なんかしなくていいんだよ、純也さん」(だってあなたはわたしの救いの神なんだから。もう保護者じゃないのかもしれないけど、今のわたしがあるのは純也さんのおかげなんだよ。だから、わたしは絶対にあなたを悲しませるようなことはできないの) 本当はそう言いたかった。けれど、まだ本当のことを言える時期ではないので、愛美はその言葉をグッと飲み込んだ。自分でも、この言葉が恋人である彼への言葉なのか、それとも保護者である彼への言葉なのか分からないからでもある。「そっか……、分かった。ホントにもう、俺バカだよなぁ。みっともないところ見せちまってごめん! でも安心したよ。愛美ちゃんが他の男は眼中にないって分かって」「うん。それはよかった」「――さてと、じゃあこれから出かけようか。っていっても、もうこんな時間だからいけるところは限られてくるよな……。どこに行こうか?」 純也さんはそう言いながらスマホで時刻を確かめた。 現在、午後三時過ぎ。大学の寮にも当然のことなが

  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page9

       * * * * ――ファミレスを出て交差点まで行くと、そこに純也さんの車が停まっていて、愛美に気がつくと二、三回クラクションを鳴らした。「愛美ちゃん、やっとメッセージに気づいてくれたんだね。ここじゃナンだし、乗って」「うん……。じゃあ……おジャマします」 愛美は彼からのメッセージに気づくのが遅れたことへの申し訳なさと、浮気をしたわけではないけれど他の男性と会っていたことへの後ろめたさ半々で、恐る恐る助手席に乗り込んだ。「純也さん、ゴメンね。今日は午後から編集者さんと会ってたから、スマホをずっとサイレントモードにしてて。ついさっきまでメッセージが来てることに気づかなかったの」 これからどこへ向かうのか分からないけれど、走行中の車内で愛美は純也さんに謝った。「編集者さんと?」「うん。例の渾身の一作が書き上がったから、原稿を渡すために横浜まで来てもらったの」「そっか、ついに書き上がったのか。愛美ちゃん、お疲れさま」「ありがとう! 岡部さんもね、……ああ、編集者さんの名前ね。今度の作品は絶対に出版が決まるようにプレゼン頑張るって言ってくれたから。今度こそ、純也さんにも読んでもらえるよ」「そっかそっか、それは楽しみだな。……ところでさっき、ファミレスで治樹君と一緒だったように見えたんだけど、俺の気のせいかな?」「あ……、それは……えーっと」 せっかく話が盛り上がっていたのに、雲行きが怪しくなりかけている。愛美は焦った。(純也さん……、もしかして怒ってる……? っていうか見られてた……)「あっ、あの……ね。あれは別に、浮気とかそういうのじゃなくて。岡部さんと別れた後に、偶然バッタリ治樹さんに会ってね、ちょっと悩みを聞いてあげてたっていうか……。ファミレスに入ったのは、治樹さんが仕事に追われてて、お昼ゴハンもまだ食べてないって言ったからで」「…………そうか」 しどろもどろになりながら答えても、純也さんの反応は冷ややかで、愛美は泣きそうだった。何も悪いことなんてしていないのに……。「お願いだから信じて! 治樹さんもね、珠莉ちゃんには『仕事を辞めたい』なんて言いにくいからって悩んでて、妹みたいなわたしだから話しやすかっただけだと思うの。わたしとあの人との間に何かあったって思うなら、それは純也さんの誤解だから! ホントに何もないから!」「あ

  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page8

    「いやあ、珠莉ちゃんには話しにくくてさ。珠莉ちゃんとは将来、結婚も考えてるけど。あっちの家柄すげえじゃん? だから何か、仕事辞めたいって言うのもみっともないっつうか、男としてのプライドが邪魔して」「プライドって……。そんなこと言ってる場合じゃないでしょ? 大事なことじゃない。本気で珠莉ちゃんと結婚したいって思ってるなら、なおさらちゃんと話さないとダメだよ。それに、こういうことしてたら珠莉ちゃんにわたしとのこと誤解されちゃうし」「それは……困るよなぁ」 治樹さんが眉根を寄せて頬をポリポリ掻く。 愛美だって、三年かかって親友になれた珠莉に嫉妬されて、関係がギクシャクしてしまうのはイヤだ。それに、純也さんから誤解されるのもイヤなのだ。治樹さんは愛美にとって親友の兄であり、兄のような存在でしかないのだから。「うん。だからね、ちゃんと珠莉ちゃんにも話した方がいいと思うな。結婚まで考えてるなら、珠莉ちゃんにも無関係な話じゃないんだし」「だよなあ。……分かったよ、ここは愛美ちゃんのアドバイスどおりにするかな」「それがいいよ」 愛美はとりあえずホッとひと安心して、レモンティーを飲んでいたけれど。大きな窓の外に見慣れた車を見つけて、驚いて思わず二度見してしまう。(あの車は純也さんの……。でも、どうして彼がこの町に?)「愛美ちゃん、どうかした?」「あ……、ううん。ちょっとね、知り合いの車が見えた気がして」「もしかして彼氏? 珠莉ちゃんの叔父さんだっけ」「うん……、まあ……そんなところ」 今日、彼が横浜に来るなんて、愛美には一言も連絡してきていなかったはずなのに。どうして彼がここに来ているんだろう?(……そういえばわたし、午後から一回もスマホ見てないかも) スマホのロックを解除すると、純也さんからのメッセージの通知が一件入っていた。『愛美ちゃん、俺、今日一日予定が空いたんだけど。 今から会いに行っていいかな?』「…………マジで?」 純也さんは愛美からの返信を待たずに、横浜まで車を飛ばしてきたらしい。(純也さん……! サプライズで会いに来たかった気持ちは分からなくもないけど、せめてわたしが返事するまで待とうよ……。こっちにも都合ってものがあるんだから) 愛美は頭を抱えた後、ふとあることに気がついた。彼はもしかしたら、愛美が治樹さんと一緒にこのフ

  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page7

    「愛美ちゃん、久しぶり。……っていうか、もういい加減敬語やめない? オレにとってはもう、君は妹みたいなものなんだからさ」「あー……、うん。――ところで治樹さん、今日も仕事なの? 土曜日だけど」 土曜日なら多分、一般企業はだいたい休みのはずだけれど。「そうなんだよ。今オレ、営業やってるんだけどさ、成績がなかなか伸びなくて。土曜日も返上して頑張ってんだ。おかげで昼メシもまだなんだよ」 と言うのが早いか、治樹さんのお腹がグゥ~~……と鳴った。ちなみに時刻は午後二時半。ランチタイムは終わっている時間である。「愛美ちゃん、この後時間あるならオレのメシに付き合ってくんない? っていっても、この時間だとファミレスくらいしかメシ食えるところないかな」「いいよ。わたしはお昼済ませて出てきたから、お茶とスイーツでよければ付き合うよ」 ――というわけで、二人はそこから徒歩数分のところにあるファミレスに入ったのだけれど。まさかこの後、思いもよらない事態を巻き起こすことになるなんて、愛美はまだ知るはずもなかった。   * * * *「――久しぶりだね、愛美ちゃん。高校の卒業式以来かな。元気だった?」「うん、元気だったよ。治樹さんは……ちょっとやつれた?」 テーブルで向かい合わせに座り、治樹さんはよほどお腹が空いていたのか唐揚げ定食をモリモリ平らげている。愛美はパンケーキとホットのレモンティーでお付き合いしていた。「社会人になるとさ、色々と大変なんだよ。……って、愛美ちゃんももう知ってるか」「わたしの仕事は、自分がずっとやりたかったことだから。学校の勉強と執筆の両立は確かに大変だし、初めてボツを食らった時はめちゃめちゃヘコんだけど、辞めたらバチが当たっちゃうよ。それにわたし、やっぱり小説を書くのが好きだから」 自分が幼い頃から抱いていた夢を叶えたからこそ就くことができた職業だから、愛美は一生ものだと思っている。だからこそ逃げ出すことができないし、失敗しても誰のせいにもできなくて大変だけれど。「オレ、今の会社に入って一年過ぎたけど。今さらになって気づいたよ。営業向いてねえのかなーって。だからもう、会社辞めようかどうしようか悩んでて」「えっ、会社辞めちゃうの? 営業じゃなくて他の部署に変わるとか、そういう選択肢はナシで?」「ああ、なるほどなぁ。そういう選択肢もア

  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page6

    「それに、叔父さまはあなたが夢を叶えて作家になったことで、十分投資した分は返してもらったとお思いのはずよ。だからもう、お金のことは気にしなくていいんじゃないかしら」「そっか、援助じゃなくて投資か……。そういう考え方もあるんだね」 珠莉の言葉に、愛美は目からウロコが落ちた。「援助してもらった」と思うから、出してもらったお金は返さなければと思っていたけれど。あれが彼の先行投資だったと考えたら、そのおかげで作家デビューを果たした時点でもう、投資された分にはちゃんと報いることができているわけである。「じゃあもう、お金のことは気にしなくていいってことだよね……」 とりあえず、純也さんちの結婚に向けてのハードルは一つなくなったと考えていい。それが分かった愛美はひとまずホッとしたのだった。   * * * * ――それからしばらく経った、五月の大型連休明けの土曜日の午後。「――相川先生、お疲れさまでした! ですが、何も直接原稿を手渡すために僕を横浜まで呼ばなくても……。データをメールで送って下さるだけでよかったのに」 渾身の一作をやっと書き上げた愛美は、それをわざわざプリントアウトした紙の原稿を持って、編集者の岡部さんと待ち合わせをしていたカフェへ出向いた。 長編小説の原稿の封筒が入ったトートバッグはすごく重くて、正直肩が抜けそうだった。でも、愛美はあえてそうしたのだ。「原稿、重かったでしょう?」「ええ、まあ。肩を脱臼するかと思いました。でも、この原稿の重みを自分でも嚙みしめたくて。メールで送るだけじゃ何だかこの原稿を軽々しく扱ってるような気になるので、せっかく魂を込めて書いた原稿に申し訳なくて」 苦笑いをする岡部さんに、愛美は力説しながら封筒を手渡した。「先生がそこまでおっしゃるってことは、相当思い入れの強い作品ということですね。分かりました。では、じっくり読ませて頂きます。今度こそ出版が決まるよう、僕もめいっぱいプレゼンさせて頂きますので」「はい。岡部さん、よろしくお願いします。この作品はどうしても世に出したいので。すべてはあなたにかかってますからね」 愛美は深々と頭を下げ、飲みかけのアイスカフェラテを一気に飲み干すと、支払い伝票を引き取った。岡部さんがこの後、他の作家と新作の打ち合わせが入っていると言ったことを思い出したのだ。「すみません!

  • 拝啓、あしながおじさん。 ~令和日本のジュディ・アボットより~   誤解と嫉妬 page5

     迷いの原因は、自身が児童養護施設で育ったことだ。初めて辺唐院家へ行って挨拶した時の反応でさえあんなにひどかったので、「純也さんと結婚したい」なんて言ったらもう、「どうせ財産目当てでたぶらかしたんでしょう」と嫌味を言われることは目に見えている。 それを察したらしい珠莉が、愛美に申し訳なさそうに言った。「それって、私の両親のことね? 施設出身のあなたが純也叔父さまと結婚したいなんて言ったら、お母さまから財産目当てだとか言われるんじゃないかって心配してるんでしょう?」「うん、そうなの。わたしは別に、自分の境遇をコンプレックスに感じてはいないけど、周りの人はそうじゃないんだってあの時痛いほど分かったから」「世の中、そんな人ばかりじゃなくてよ。あの人たちが異常なのよ。それに、叔父さまと結婚するからって、必ずしも辺唐院家の一員になるわけじゃないわ。だから、そこは気にする必要ないんじゃないかしら」「……そうだよね。純也さんなら、わたしを無理矢理親族の集まりに引っ張り出すようなことはしないよね」 愛美のことを大事に思ってくれている彼なら、結婚後も極力愛美を親族との関わりから遠ざけてくれるだろう。愛美が傷付かないよう、そのあたりの配慮はしてくれると思う。 でも……、愛美が結婚をためらう理由はもう一つあるのだ。「ただね、これはただわたしが一方的にこだわってるだけなのかもしれないけど。わたしって、純也さんからお金を援助してもらってる立場だったわけじゃない? だから、彼に出してもらったお金を返し終わるまでは対等な立場になれないと思うの。そんな状態で結婚してもうまくいかないんじゃないかな、って」「愛美、気にしすぎだよ。純也さんはそんなこと望んでないかもしれないじゃん。お金返してもらうつもりで援助してたんなら、愛美が奨学金受けるようになった時点でとっくに手を引いてるはずだよ」「私もそう思うわ。叔父さまは気前のいい方だから、返済なんて最初からお望みじゃなかったはずよ。あなたの前に叔父さまの援助を受けていた人たちも、お金は返済していないんじゃなくて?」「……さあ、どうだろ? 園長先生もそこまではおっしゃってなかったし。わたしも訊かなかったけど」 愛美は首を傾げたけれど、親友二人がそう言うのならきっとそうなんだろう。純也さんはきっと、愛美がお金を返そうとしても「そんなつも

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